- 桜竈───。
四季折々の桜が咲き乱れる
少し不思議な土地。 - 永久桜に抱かれ育まれてきた
二人の少女。 - 真白葵と貴麗山吹。
- 親友として家族として─── 幼少期より手をとり支えあって過ごしてきた安寧の日々は、些細な切欠をもってその姿を豹変させる事になる。
- 「己を起こした虚けは、お前か」
- 禁忌呪物。
それ世に放たれる事即ちこれ、───災厄なり - ある一族の手記にそう記され、秘匿されたモノ。
悍ましきモノ。そして、哀れなモノ。 - そのモノ、名を「吐瀉丸」という。
- これは───。
永久に桜舞うこの町の片隅で
呪物と二人の少女が織りなす物語。